どうせこの部屋だって防音。

何で優しい声出すの?

「大丈夫よ?」

とりあえず。

私は大丈夫でなければいけないんだから。

「お前自身の話だ」

「……別に。いつもどおりでしょ?」

「今日は朝から辛そうだった」

辛そう?私が??

「辛くなんてないってば。挨拶とかすんのちょっと面倒になってきただけ。悪い?」

何なのよ、今日の紘翔は。

「そうか」

………結局それだけ。

紘翔はそれから何も言わなかったし、動こうともしなかった。

……………。

なんでこんな沈黙なの?

別に紘翔と喋ることなんてないけど。

さきに言い出したのは紘翔だし。

……もういいか。

私がイライラすんのもモヤモヤしてんのもイヤ。