意味もなく目に入った場所を指差しただけだけど、そこは一年生のカフェだった。


「さっ、咲煌寺様っ!?翼牙崎様!?」

「いっ、いらっしゃいませっっ!!」

私たちが入った途端一段と騒がしくなる教室。

生徒だけじゃない。

周りにいるどこかの社長さんだとかまで声を上げた。


「紅茶を二つ頂けますか?」

案内された席に座って、紘翔が一言。

ただの注文なのに大げさに反応しすぎ。

別に私たちが偉いわけじゃないのにね。

学園祭とかそういうもの事態は好き。

私だって普通に学生だし。

でもはっきり言ってあんまり参加したくない行事でもある。

「天凪様お久しぶりでございます」

「いえ、先日はお世話に……」

「天凪様に……」

「まぁ……」