「先生・・・顔色悪い。ごめんね、私がもっと早く来ていたら、ここまでつらいことさせなくて済んだのに。」


「僕は大丈夫さ。こんなふうに無理しないしね。」


「バカ!無理してるから青ざめているんじゃない。オミさん、すみませんが・・・」


「診療所まで先生を運ぶんでしょ。OKです。ご主人様」


「えっ?」


「俺、やっぱりおふたりの近くにいます。俺ひとりでは力不足なのはわかっているし、協力して退治や救助ってやった方がいいと思うし。
俺は俺の役割をやっていこうと思うので・・・いいですよね。」


「ここでの初仕事が僕を運ぶことじゃ、申し訳ないね。」


「今は先生が重傷なんですからね。・・・千代さんがかわいらしいのは先生の存在があってのことなのもわかりましたし。・・・??あれ・・・」


ナオはオミの背中におぶさったまま眠っていた。


「重さを減らす魔法をかけてあるから、それほど重くないでしょ?」


「千代さん、もしかしてこんなことは初めてじゃないんですか?
まさか、千代さんがいつも先生をかついで帰ってるとかいうんじゃ・・・」


「いつもというわけじゃないけど、少しはね。
でも、やっぱり男の人が手伝ってくれると助かるもの。」


診療所へたどりつくと、ゼアがいつものように、ナオの手当てを始めた。

「もう!先生ったらまた突っ走ったのねぇ。もうボロボロじゃないのぉ。
あら?あなたは退院したばかりの・・・」


「オミです。近所に住むことになりました。それと先生と千代さんの手助けもすることになりましたんで・・・」


オミは事情を説明しながら、小声で千代にたずねた。

「ゼアさんって先生の何なんですか?」

「看護師兼、親友兼、恋人かな。うふふ・・・」


「えっ!!!」

恐る恐るオミは治療中のナオの方に目を向けると、ゼアがナオの顔をさわったり、頬ずりしながら抱きついている。


「俺もあんなことされてたのかしら・・・・!!?((ぞぉ~~~~~))」