「ここはミシェスの病院。病院っていっても見てのとおりの小さな診療所だけどね。
僕はこの診療所で外科再生医師をしている。
名前はナオ・フィアルト。
えと、君は・・・君をここへ運んだのは僕で、頭を強打していたのと足をけがしていたので、検査と治療を施した。」


「あの、ミシェスってどこの国の町なんですか?
それと、ここに運ばれる前に、私は畑で寝てませんでしたか?」


2度目の質問攻めに対して、ナオ医師はなぜかつらそうな表情で私に質問を返してきた。


「白い扉を見なかったかい?現実でも夢でもどちらでもいいんだ。
白い扉を見たか、開けるかしなかったかい?」


予想も何もしていない不可解な質問に、私は固まってしまった。
扉って・・・白いとびらって・・・そんなの私。私は・・・・・。





見たかもしんない。

あれは夢・・・畑はなかったから、夢だ。

まっ白い光があまりにまぶしかったから、目の前にあった扉に手をかけて、ここから逃げることができないかと・・・。

開けたのかな。扉の向こうは・・・えと・・・えと・・・だめだ、思い出せない。

扉の向こうを見てない。見ていないと思う。



「扉を夢で見たわ。でも、扉を開けた記憶がないの。
扉に手をかけたような気がするけど、扉は開かなかったような気がする。」


「やっぱり、そうか。
扉は開かなかったんだ。だから、君はここへ落ちてきた。」



へ・・・・!落ちてきた?