ただ、キミが好き

青ざめた顔をあげる。

蓮くんの深い、チョコレート色の瞳をすぐ近くに見つけて、わたしは思わず縋り付いた。

「…っくんっ」

「大丈夫。落ち着いてミコ」

背中を優しくさすりながら、心地のいい低い声で囁く。

「ゆっくり、息してみて?深く吸い込んで、ゆっくり吐いて」

私は口を開き、焼け付くような肺に、酸素を送り込んだ。

「けほっ」

「ミコ、慌てないで、落ち着いて」

むせかえる私の頭を、壊れ物のように優しく抱き寄せ、呼吸を合わせてくれる。

蓮くんの身体から伝わる動きに促されるままに、ゆっくり息を吸い込み、少しずつ吐き出して、また吸い込んだ。

「……ミコ、大丈夫?」

優しい声に、軽く頷く。

蓮くんのシャツからほのかに立ちのぼる、甘い香りを吸い込むうちに、次第に息が整っていった。