ただ、キミが好き

一瞬

生徒会室でのミコトの顔が脳裏を過ぎった。

凍り付いたように動きを止めた俺を、苦しげな表情で見上げた後、真由は首筋にキスを散らし始めた。

軽くついばみながら、紅い唇をずらしていく。

背中の手が、身体の線を確かめるように移動した。



いっそ



このまま真由を抱いてしまえば、楽になれるのだろうか?


シャツのボタンを外していく、手入れの行き届いた指先を、見つめながら、浮かんだ考えに自嘲した。




わかっている。



誰も



ミコトの身代わりにはなれない。