ただ、キミが好き

スリップドレスから覗く、真由の古傷から俺は目を逸らした。

普段、服からは見えない場所を選んで、付けられた無数の傷跡。

真由の母親の罪の跡は身体だけじゃなく彼女の心まで蝕んでいる。

「消毒しよう」

腕に手を添え、立ち上がらせる。

支えながら、バスルームを出てリビングの照明のスイッチをいれた。

生活感のない、モデルルームのような冷たい部屋のソファーに真由を座らせ、引き出しから消毒薬と包帯を取り出す。

真由はされるがままになり、ぼんやり俺の手元を見つめていたが、包帯を巻き終えると、ふっと微笑んだ。