ただ、キミが好き

痺れるような甘い誘惑に逆らえず、顔を埋め唇を這わせる。

「…あ……」

ミコトの首が少しだけのけ反った。

瞬間 

そこに見えた傷に、俺は動きを止めた。

普段は見た目に解らないくらいの消えかけたその傷は、上気した肌にピンクに染まり、生々しく浮き上がっていた。


記憶が

フラッシュバックする。


「……れ、んくん?」

不意に肩を押しやった俺に、ミコトが問い掛けるような視線を向ける。

俺は顔を逸らし、いつの間にか床へ落ちていた眼鏡を拾いあげた。

窓の外はすでに濃紺の薄闇に包まれ始めている。

ミコトを立ち上がらせ、眼鏡のレンズを拭き取ると、顔にかけた。