「一樹、一樹、行かないで!! 好きなの。好きなの!!」 床を蹴って真由へと走る。 ベッドに膝を付き、涙を溜めた彼女を力いっぱい抱きしめた。 「もう、取り消しできないから」 耳元で囁く。 「二度と離れてやらない」 「……一樹」 胸に顔を埋め、真由が首を振る。 「私なんかといたら、あなたは幸せになれないのよ」 「……幸せだよ」 「誰も許してなんかくれないわ」 「誰かなんてどうでもいい」 身体を離し、俺は真由を見た。 「キミさえいてくれたら、それだけでいいんだ」