ただ、キミが好き

不意に昇降口に大きな声が響いた。

女の子達が一斉に振り返る、

霞んだ視界に走り寄ってくる、時田くんの姿が見えた。

「大丈夫!?」

膝をついてわたしを支え、彼は彼女達を睨みあげた。

「寄ってたかって何やってんだよっ! お前ら最低だなっ」

鞭打つような時田くんの言葉に、巻き髪の女の子はびくっと肩を揺らした。

「……一樹、…ちが、………だって」

蒼ざめて、泣きながら首を振る。

震える彼女が気の毒で、わたしは時田くんの腕を掴んだ。

「時田くん、待って、わたし……ちゃんと本当のことを……」

「佐和ちゃん。喋らなくていいよ。大丈夫だから」

時田くんはわたしに優しく笑いかけ、


「サーヤ」

凍り付くような視線を巻き髪の女の子へ向けた。