ただ、キミが好き

「……れ、ん」

苦しげに呼吸しながら、真由は切ない表情で、うっすらと目を開けた。

「目、閉じて…」

手が頬にふれ、指が瞼に触れそうになった瞬間、

俺は真由を遠ざけるように押し戻した。

「蓮?」

不思議なものでも見るような目で、真由は俺を見た。

「悪いけど、出ていって」

顔を反らし、手の甲で口を拭う。

「………」

真由には最大の侮辱だろう。

身体を翻すと、珍しく足音も荒く、部屋を飛び出していった。

俺は頭を上に反らし、二回壁にぶつけた。

目は見開いたまま。



―――閉じてしまえば、


ミコトのことしか考えられなくなる。