ただ、キミが好き

例え

それが

愛情からじゃなかったとしても。

それでも

わたしには

宝物みたいな大切な時間だった。


だから後悔しない。


ううん。したくない。

もしも

蓮くんが

わたしから離れていったとしても――。



「ごめん。鍵頼まれたから先にいくね」

松田サンたちに声をかけ、体操服の入ったバッグを持って、教室を出た。

校舎を出て体育館に向かう渡り廊下を歩く。

廊下の脇に植え込まれた木の間から見上げた空は、青く澄み渡っていて、

哀しいくらい遠く感じた。