「怯えを捨て、理性を捨て、剣となれ。心を捨てて、同じカタチのものたちを一刀両断する覚悟こそが俺たちにとって必要なものだ。
畑を耕していようが、お前には手足があるだろうが。それだけで充分なんだよ。その手足は“人を殺すためのモノ”だと自覚しろ……!」
剣を鞘にしまう
だが、未だに眼差しはきついまま
男が一言でも話せば、喉元に食らいつきそうな獅子の眼(まなこ)は、何もクロスだけに限ったことではなかった
「殺人をやる素質なんか所詮、手足があるかどうかだけ。ならば、騎士としての素質は殺人をいかにして誇りとするかだ。
これは自国への恩返し。果敢に斬り捨てろ。お前が斬った一人は、俺たちが生まれ育った故郷の成長に繋がるのだから。
それに、だ。残された者たちの悲しみを喜びに昇華させてやってこそ、誇り高い生き方であろう」


