先ほどまで打ちつけられるのに一秒もかからなかったが、今は三秒の間
もっとも、この三秒で反撃しようとする奴はなかなかにいなく
しようものがいるならば
「っ――!」
それは巨剣の名を借りた嵐(強敵)だった
砂塵と一緒に巻きあがる風圧
それ以上の衝撃は嵐と一緒に飛んできた岩でも相手しているよう
受けた剣は壊れなかったが、その持ち主の体力は一気に消耗された
踏ん張りがきかずにたたらを踏む
倒れそうになったが、剣を地に突き立て膝をつくとこで止まった
血で滲む地面を目線に置きながら、ぜえぜえと酸素を求める
酸素不足でめまいさえもしてきた
風景が歪む
倒れそうになる耳に響いたのは、逃げろという声
男の、声
顔を上げれば、兵士の腕を掴み立たせる男の姿


