せめぎ合う剣に通常ダメージはないはずだが、男の巨剣は確実に肩の筋肉を削ぐような衝撃だ
強敵
男がかなりの強者だと気づくにはそれほど時間は要しなかった
自分と戦いながらでも、別の敵も取りこぼさずに斬っていくのもまた見事
「クロス隊長っ、この!」
「よせっ!」
行くなと言う前に断たれた体
その仲間の死に悲しむ間もなく、自分にも別の敵が刃向かってきた
それを斬り伏せる
その瞬間、一度だけまた男と目が合う
――立っていたのは、自分と同じ目をした違う存在だった
「はあああぁ!」
それに斬りかかる
やっていることは変わらないし、変えることもない
柄を強く握りしめて、攻め込んだ


