騎士戦争



自分を追いかけてきた馬との距離は間近


投げれば必ず当たるという距離での投擲は見事に馬の体に突き刺さった


倒れる馬

落馬した男


後はとどめをさせば終わりという、ついさっきも経験した場面で


「な、ん……!」


予想外に出くわした


とどめ――こちらが剣を刺す前に、巨剣が振りかざされた


立て直しが早い


相手に二秒も与えないこの隙のなさ


避けることは叶わず、クロスはこの巨剣を受け止めてしまった


肩から奥歯に響く振動


同じ平地にいるためか壊れはしなかったが、足が地にめり込むような衝撃があった


殴られたようなめまいがする、だがそのふらついている間はない


重々しい衝撃


あんな重量がある剣を持っているというのに、自分とさほどスピードが変わらない