騎士戦争



殺しが、単純単調な“作業”となってしまった彼は叫ぶ


悲しみか、恐怖か、怒りか


全てが絡み合っているようなこの感情は不安定で。彼自身、己を呪っていたのかもしれない


殺ししかできない自分


前の敵も、隣の仲間も


斬って、見捨ての繰り返し


「づ、ぅ、あああ!」


人語を忘れ、いっそうのこと感情を捨てたかった


『刺されるから刺す』


人間としてもっともな理由


殺されるから殺す、この文章をどう非難出来よう


その非難出来ないことを拒否していたのがクロスだった


正しくは、しようとしていた


剣を振り回している時点で彼は結局――


「くそっ!ちくしょうがっ!」



自分の身可愛さに人を殺していた



認めたくはないが、事実は列記としている