「ただうじうじする奴にムカついただけだ。というか、ああいうのはお前の役目なんじゃねぇのかよ。第一部隊将軍、ビギナー様よ」
わざとらしく男の名を口にしたクロス
言葉責めで男――ビギナーに勝とうとしたが
「ああ、言おうと思ったんだけどね。丁度、策が練れないどこぞの馬鹿将軍の代わりに策を練っていたところだったんだ」
叶わぬ夢だったよう
うっ、とたじろく様をビギナーは愉快げに見下していた
「あっち行け、お前」
「どうしようかな。部下のやる気を起こすのが上の役目ならば、君だって例外じゃない」
何を。とクロスが言う前に
「何の真似だ、てめぇ」
頬を掠めた足にあからさまな敵意を抱く
クロスの真横にある左足はビギナーのもの
大木を地代わりに踏んでいた
木から葉っぱが落ちて二人にかかる


