表面上だけ取り繕えば良かった


隊長とは皆の手本となるからして、いつも自信溢れた姿勢で言葉遣いだって将軍のそれにした


まあ、もっとも

気を抜けばボロが出てしまうので、彼はなるたけ喋らないようにしたわけだが


『寡黙で勇ましい将軍』


そうやって気づけばよいしょよいしょをされていた


「まあ、みんながやる気になればいいが……」


暗い考えは止め、プラス思考に行こうと脳内切り替えをしていれば


「流石は将軍様だねぇ。その“中身”は学がない無知なガキ大将性格だと知ったら彼らは何を思うんだか」


くつくつと笑う男の声


眉をひそめてクロスはあからさまな嫌悪をその男に抱いた


「ほっとけ。それに俺はガキじゃねぇ」


「言い方がガキみたいだよ。言葉遣い、まだ直ってないのかい?」