――『藍と那智くんは、本当に仲良しだなぁ』 ふたりが出逢った夏 無邪気に距離を縮めていくあたしたちに、 お父さんとおばさんは、目を細めて言っていた。 『まるで姉弟みたいだね』と。 あの頃は、それが嬉しかった。 那智と並ぶことを認められた気がして、誇らしかった。 だけど――。 「……姉弟“みたい”で、充分だったのにな」 ずるずる。背中が壁をこすって下降する。 そのままペタリと床に座りこむと、体中が脱力した。 白で統一された、あたしの部屋。 背中を預けた壁の向こうには、那智がいる。