あやつりの糸

「シェフの教えは解りやすかった」

 多くの弟子がいたと聞いた。

「じゃあ、君がそのシェフの、最後の弟子だったんだね」

「弟子だと認めてくれていれば良いのだが」

 僕は、傷をえぐるつもりで言った。けれど、彼にはそうではなかった。

 死を嘆くことよりも、生きていた間の記憶を大切にと考えている。

 愁いを帯びた笑みに、何故だか僕は胸が苦しかった。