よくまぁ一日でこんなに調べられたもんだ、と溜息をつきたくなるような細かい字で書かれた調査記録。
封筒の表には誰でも一度は耳にした事があるであろう探偵事務所の名前。
「専門用語が多くてわかんねーか?」
「はい……難しいです」
甲やら乙やら保証人やらなんたら、はっきり言ってムズイです。
「つまり、あの子の親父は3000万の借金を抱えてて、その返済の為ナイトフェアリーへ娘を売ったって事だな」
「……まさか」
お店も……グル???
「だとしたら……俺の計算だと2年近くあのお店にいるはずで……もうすぐ終わりじゃ」
「甘いな?確かにあの子の容姿なら月に200万ぐらいは軽く稼ぐだろーが」
「何が甘いんですか??」
「もう一度その紙読み直せ」
月に200万ったら一年で2400万ですよ?
そう言いたくなるのを堪えて先輩に言われるがまま、俺は今度は注意深く「調査結果」と書かれた用紙を読み返した。



