汚れた街の汚れなき天使




ピンポーン♪



「こんばんは~」



「ヒデキから聞いてるから!さぁ上がって!!」



エプロン姿の眞子さんは別に太ったようには見えない。相変わらずのモデル体型にまりあも瞳を真ん丸にする。



「すごいキレイな人だね!!」



と俺にだけ聞こえる様に呟くほど。




「眞子さん、ご無沙汰してます。入籍したそうで、おめでとうございます!」




そう言うと、眞子さんは本当に嬉しそうに笑った。


器の大きい人だとは思っていたけど……人知れず不安もあったんだろう。なんせ……あの先輩の彼女をずっと続けてきたんだから。




「俺の彼女のまりあです」



背中に隠れるように引っ込んでいたまりあを隣に立たせる。




「はじめまして」



おずおずと顔を上げた君に



「うわー可愛い!!!ダメよ~海人君。こんな格好で歩かせちゃ」



何故か注意されてしまった。




今日のまりあの格好って……普通のトレーナーにデニムのパンツ。別段おかしなところは無いと思うんですけど……。




首を傾げていると




「これだからオトコは困るのよね~。まりあちゃん奥おいで!!あ、ヒデキは部屋にいるから」




あっという間に奥の部屋に消えていった二人に取り残されて……俺も先輩の部屋へ向かう事にした。