汚れた街の汚れなき天使




昼休み。



無事にナイトフェアリーへ予約の電話を入れた俺は食堂へ向かう。



まりあは今日も出勤していた。

今、何を思って働いているのだろう??



俺の事、嫌いになってないだろうか?それだけが不安だった。








「波多野君、いらっしゃい♪」



社内食堂のおばちゃんは人の顔と名前を覚えるのが大の得意で営業マンとしては尊敬してしまう。



「今日は食欲無いからそばにして」



「あら?珍しいわねぇ……伊藤君といい今日はどうしちゃったんだか」



伊藤君??



おばちゃんの目線を追うと……いつもは


「精力つけなきゃやってらんないよなぁ?」


そう言ってレバニラ定食ばかり食べていた先輩が




「オ……ムラ……イス!?」


「そうなのよ。誰かと一緒かと思ったんだけど一人で黙々と食べてるし」




ん……さすがにこれは心配したほうがいいかもしれない。



かけそばの載ったトレーを受け取ると、俺は先輩の向かいの席へ座った。