「……俺は、まりあの気持ちを最優先したいと思ってます」 やっと搾り出せた言葉はそんな言葉で。 行くな、とか……言える訳無い。 とことこと可愛い足音が近づき、止まった。 「まりあね……お母さんがいるって知らなくて。お母さんずっと待っててくれてて……」 「だけど、海人の家は凄く遠いんだよね?」 どうしたらいいのか分からず、泣く。 そんな、泣くなよ? 優しいキミがたった一人で暮らす佐代子さんを置いて東京に帰る訳が無いって……分かってたから。 それにね?