汚れた街の汚れなき天使




今日はぐったりだ。



「どうしたのー??疲れたの??」


ぴょんぴょん飛び跳ねてじゃれてくるまりあの頭を撫でつける。



包帯を一生懸命巻きなおすその手に体を預け目を閉じた。



喜ばなきゃ……いけない。

たった一人の肉親なんだから。



「まりあね?アルバムもう一回見たんだけどやっぱり知らない人だよ」



今日は俺達の家に帰ってきている。

昨日は先輩も寝てないだろうし、今日まで邪魔したら申し訳ない。



「そっか。俺にも見せて??」



はいっと差し出されたアルバムに映る写真は、注意して見ればまりあに似てなくもない。



子供っぽさが残る長い睫毛にあどけない表情。



そうだ、星野さんに貰った住所。



これがなぁ……都内、いや関東、せめて本州ならなぁ。



書かれていた住所は遥か遠い街、高知県。