汚れた街の汚れなき天使




とくてい……難病??


聞きなれない言葉。



「骨髄線維症という病気でした。難病に指定されています。」



「それは……治らないって事ですか??」



「現代の医学では、まだ」



そんな……。



「すみません。その病気ってのはそんなにお金がかかるんですか?娘を働かせて借金を作って!!それが知りたくて……」



俺の言葉に、松永医師は静かに語り始めた。






「この病気は発症しておよそ10年ぐらいしか生きられません。皆川さんはもちろんその事を知っていました。」



「移植という方法もありますがそれでも成功率は高くない。」



「本当は良くないんですが、私が紹介しました。自費で成分輸血してくれる団体を。ただ、そこに支払っているお金がどういった類のお金か、までは……すみません。私も事件になるまで知らなかったんです。」



「生きたいと、言ってました。自分が倒れたら娘が一人になるから、と。」