汚れた街の汚れなき天使





先輩に仕分けてもらった病院の領収書を手に持つと入り口のお姉さんに声を掛ける。



「すみません。こちらに通院していた皆川俊夫さんの病気の件で教えて頂きたいんですが……」



ちらっと怪訝な顔で見上げる受付嬢。無理も無いか。誰だよお前?って話だし。



「お名前は?」



「波多野です。」



「おかけになってお待ちください」



冷ややかな口調のまま言われ、待合室に腰を落とす。



警察といい、病院といい、なんで受付はこんな感じ悪いんだろうなぁ……。俺が出入りしているオフィスの人は感じいいのに。


まぁ、当たり前なのか。


客、ではないんだし。


なんてぶつくさ呟いていると再び愛想のない声で呼ばれる。



「2階の奥の診察室へどうぞ。松永医師を呼んでもらえれば分かりますので」



れれ??


入っていい訳??



てっきり何の用だと聞かれる事を想定していたから拍子抜けしてしまう。


まぁ……入っていいならお言葉に甘えて。



総合病院であるこの病院の診察は午前で終わっていたらしい。




-カツカツ-



外来患者のいない2階は静かで俺の足音だけがやけに響いていた。