星野さんが再び姿を現したのは20分程経ってからだった。
「すみません、お待たせしてしまって」
「いえ、まだ会社に行けるほど回復してませんし、今日は親父さんが通っていた病院に行ってみようと思っていただけなんで」
時間はたくさんあります。
彼は何にも悪くないのに、沈んだ口調になってしまう自分が悲しい。
「えっとですね。皆川俊夫さん、まりあさんのお父さんですが彼には確かに秋子さんと言う奥様がいて死亡しています。」
「ですが……再婚なんですよ。まりあさんが幼い頃に再婚してます」
「っていう事は」
「皆川佐代子さんという実母の方が生きてらっしゃいます。住所、お渡ししておきますね」
離婚しても尚、皆川の姓を名乗るその人。
まりあを産んだ人が別にいる。
それは……ひょっとして!?
いや間違いない。
あのアルバムの女性がそうなんだろう。
「ありがとうございます……」
来た時とは違う、がっくりと肩を落としながら警察署を後にした。



