「本当に無事で良かったです。波多野さんも、まりあさんも」
その状況を改めて聞くと、確かによく無事だったな?と思う。
まりあのいた個室を抜け更に奥へと繋がる通路で父親の遺体は見つかったんだとか。
「……すみません。俺あんまり記憶が残ってなくて役に立たないかもしれませんけど」
そう告げると
「いいですよ?事件……と言っても犯人が亡くなってしまっているので、形式的なものだと思ってくださって構いません」
調書を書こうと構えたペンを休め、頷きながら星野さんはそう言ってくれる。
「あの日、俺はまりあを家から逃がすつもりでした。」
大方は先輩から聞いているだろうけど、一から語る俺にまたペンと持ち、真剣な瞳を光らせる。
「恥ずかしながら毎日お店の前を通って帰宅していて……あの日は行かなくてもよかったんですけど、サイレンがオフィスからも聞こえました。それで不安になって……」
「恥ずかしくないですよ?波多野さんがまりあさんを救ったんですから!!」
「そう言ってもらえると、俺も救われます」
一通り、話が済んだ所で俺はずっと気になっていた事を聞くことにした。



