「簡単に説明しますね?」
ぱらぱらと書類を捲りながら一気に警察官の顔に戻る星野さんはプロだと思う。俺は……きっと営業先でもあんなに真剣じゃないだろう。
ま、うちの会社は真面目さよりもフレンドリーな関係を重視していて……だから先輩も素で活躍してるんだけど。
事件当日。
俺が聞いたサイレンの音は間違いなくナイトフェアリーへと続くものだった。
一番奥の個室を使っていたまりあの居場所を店長を脅し確認した父親はそのまま向かう。
父親の異変に気づいた店長はこの時点で危険を感じていた……が未成年を雇用しているという負い目から警察へは連絡出来ずお店の女の子とその場にいたお客を避難させた。
……と言うのも入ってきた時点で既に手には業務用のライターが握られていたらしい。
最後に、まりあの様子を見に行こうと戻った時には廊下は火に包まれていて、中に入る事は出来なかった。
この店長も俺達と同じで、どうして二人きりにさせてしまったんだと、放火目的でまさか心中しようとしていたなんて思わなかったと、かなり後悔したらしい。
消防車が入ってきて、外から消火活動を開始。
「中に人が二人残ってます!」
悲痛な叫びも、中には入れない。入り口まで轟々と燃えていたから。
そんな中、無謀にも俺は飛び込んだって訳だ。



