汚れた街の汚れなき天使




タンスの中は予想通りというか、ごちゃごちゃしていて領収書やら、請求書やら、督促のなんちゃらとか……。




「この中見た事あった??」



「ううん。お父さんはまりあが部屋入るのあんまり好きじゃなかったから」



「そっか」




だとすると、余計にこの部屋が怪しい。


何かあるとしたら絶対にこの中だ。




一通り、引き出しの中の紙類をひっくり返すと分けていく。



領収書……といっても同じ……これは病院??



いやに高額な病院の領収書がすぐに山になった。




「なぁ……親父さんってどこか悪かったのか??」



「知らない。でも体のせいで仕事出来ないって言ってたことあったような気がする」




△△記念病院。


ここを当たるしかないか。




ふと時計を見るとあっという間に3時間が過ぎていて



「疲れただろ?どっか飯でも食いに行こっか」



「うん!!」



無理に笑っているのは分かるんだけれど……俺まで少し癒される。



大量の紙達はとても一日で判断出来る量じゃなく手当たり次第紙袋に入れて。



昔のアルバムらしきものも出てきて一緒にしまいこむ。




じゃあ出ようか、という時になって思い出したようにまりあが走り出した。




「海人!ちょっと待ってて!!」