汚れた街の汚れなき天使



「どうも。部長!お久しぶりです!!」


「ちょうど良かったよ!波多野君にお願いしたい事があったんだ」


入社した頃は人と話すなんて苦手だったけれど俺が担当してる会社は比較的紳士的な人が多く助かっている。



「何でしょう?ネジから工作機器まで何でもお持ちしますよ」


「いつも助かるよ!!じゃあ頼むよ」


入り口まで俺を見送りながらそういえば、と部長。


「波多野君は彼女はいるのかね??」


「いえ。」



君ならモテそうなのに……って。




俺モテない訳じゃないんです。


言い寄って来る女ぐらいいます。


ただ。


あの事件があってから、怖いんです。



俺には、人を愛せる自信が無いんです。