「なんで病院なんか……」 ぶつぶつ声が聞こえるけれど気にしない。 =コンコン= 返事は無い。 病室には誰もいなかった。 愛美さん、本当にまりあの為に時間くれたんだね? 「こいつが……お前の好きな奴?」 「彼氏だよ」 痛々しい姿に目をそらしたのが分かる。 「まりあを助けたの。お店が家事になって……」 「って事は……ひょっとしてあのニュースの?いや、そんな筈は……だってお前まだ未成年……まてよ?」 思い出したように病室に掲げられた札を見返す。 「波多野……海人さん??波多野愛美の兄!?」