「驚いたか??」
部屋に戻ると相変わらず海人を愛しそうに見つめるまりあの姿がある。
白い壁。
たくさんのチューブとピッピッっと規則正しくモニターに映る心拍数。
それは、海人の生きている証拠。
「海人はずっと寝てる??」
「だな、あの事件から一度も目を覚ましてない」
「そう」
「あとな、妹さんの事だが気がたってるようだから気にすんな。午前中はまりあが面会していいって事になったから明日からも来てやんな」
その言葉にぐるり、と椅子を回してまりあが口にしたのは……。
「まりあね、あの子知ってるよ」
「え……本当にか??」
全てを聞いた俺は、はっきり言って驚いていた。
本当は、俺が聞くべき話じゃ無い。
まりあは操り人形なんかじゃない。
自ら、心を閉ざしたに過ぎない。
なぁ海人?
今のまりあの言葉、聴こえたか?



