ベッドには先客。
「こんにちは、愛美ちゃん」
「あ……伊藤さん。いつもありがとうござい……」
いつも明るくて兄想いの妹、愛美ちゃん。見た目は今時のギャルだけど根はめちゃめちゃいい子。
だから俺も気に入ってんだけど……。
その瞳は今まで見たことのない怒りを湛えて、まりあだけをキツク睨み付けていた。
「おいっ、どうしたよ?」
「伊藤さん、この子……なんで?」
「なんでって、海人が助けた子。知ってんだろ?」
「知らない、帰って!!!」
急に態度を変えた愛美ちゃんに困ってしまい……情けなくも何も言えねーで口をつぐむと
「帰らない。海人に逢いに来たの」
まりあもまた、弱さを一片も見せる事なくつかつかと海人の元へ向かった。
一体……何がどうなってるんだか??
海人君??
起きて説明してくれや??



