修二は思わずうつむく顔を上げた。
『くっ、外したか…』
拳銃を修二に向けながらゆっくりと歩み寄るお腹の出た中年男がいた。
『くっ…』
修二は慌てて拳銃を構えた。
拳銃を構える二人の間に緊張が走った。
『ここで引き金を引かなきゃ…殺される…』
修二の額から汗が流れ落ちた。
引き金を引こうとする修二の右手の人差し指は震えが止まらずにいた。
『俺が…俺が…自由を手に入れるんだ!!』
お腹の出た中年男は引き金を引こうとした。
その瞬間、修二は目を閉じた。
と、同時に銃声が鳴り響いた。
ズキューン!!
その後、目を閉じる修二の耳にバタッと言う音が聞こえた。