『1%も可能性がないって…?』
橘玲子はふと疑問に思った。
『俺は生まれた時からさ、脳に腫瘍があって…身体の成長と共にその腫瘍も成長してて…もう先なんて長くはないんだよね。生まれた時からいつ死んでもおかしくなんてなくて、だから俺はこの島から生きて帰っても、多分一瞬で俺の命は散ると思う。ここで撃たれて死ぬか、ここで病気で死ぬか…俺にはその二つしか未来はないんだ』
そう告げる公太の顔は何故か笑顔だった。
『そ、そんな…』
橘玲子は衝撃を受けた。
『あれれ、もしかして衝撃受けた?』
公太は目を丸くしている橘玲子に尋ねた。