『そう…物語は生きる事で続きがある。でも生きる事は…時にしんどくて、時に大変で、時には辛い事。だから、生きる事に疲れて逃げ出したくなる事だってある。別に、逃げ出したって良いんだよ。また戻ってくればさ。どんな事にだって休憩は必要なんだし…休憩する事でまた走り出せる。だから逃げ出したって良いんだよ。また戻ってくればさ』


青年は女子高生に言い聞かせるように告げた。


『逃げ出しても良い…』


女子高生は青年の言葉を噛み締めた。


『うん…生きる事を終わりにしなければ、きっとたくさんの喜びに出会える。花も枯れたって咲く事をやめたりなんかしないし、アスファルトに咲くタンポポだって、必死に咲こうと頑張ってる。咲いたその先で…青い空を、太陽を見るために。生きるからこそ太陽が見れるんだよ』


青年はそう言いながら女子高生の手を取り立ち上がらせた。