『さあ…』


青年は女子高生に手を差し延べた。


女子高生は青年の手を掴み、青年と同じように歩道橋の柵によじ登った。


二人は歩道橋の柵に立ち下の道路を見つめた。


『お前ら下りろ!!』


駆け寄ってくる警察官が声を上げた。


『やだね』


警察官たちが青年に手が届くかどうかの距離まで来た瞬間、青年はそう言って舌を出し、女子高生と共に歩道橋から道路へと飛び降りた。


『きゃあー!!』


女子高生は青年にガッシリとしがみつき悲鳴を上げた。


『な、なにー!!』


道路へと飛び降りた青年に警察官たちは唖然とした。


ドサッ!!


青年たちは歩道橋の下をタイミングよく通過した、廃品回収車の荷台のボロ布団の上に飛び降りた。