『この花が…希望…』


蓮は真っ白な花のキーホルダーをじーっと見つめながら呟いた。


『きっと、そのキーホルダーは蓮の両親からのメッセージなんじゃないかな?例え、命が短くても、辛いことばかりでも…それでも希望を持って“今”を生きて欲しいってさ』


青年がそう告げると、蓮は涙を零し、キーホルダーを力強く握りしめながら手が震えていた。


『短い命かも知れないけど…僕は生きる…両親がくれた命だから…だから僕は今を全力で生きる…』


蓮は涙を流しながら何度も何度も誓いを口にした。


青年はそんな蓮を見つめながら、静かに席を外し、冬の風と共に病院を去って行った。