『死ぬのがわかってても…今は…今は生きてるじゃん』
青年がそう言うと、蓮はハッとした表情を見せた。
『死ぬ寸前だって、死ぬ間際だって…その瞬間は生きてる。生きてるってだけでもそれは希望なんだよ』
青年がそう言うと、蓮は唇を強く噛んだ。
『生きてる…それが希望…』
蓮は繰り返し呟いた。
『でも…でも生きてたって…僕には家族がいない。パパもママも死んじゃってこの世にはいないから…希望なんて持てないよ』
蓮は目を潤ませた。
『両親がいないなんて、俺と一緒なんだ。でも、蓮はちゃんと両親が残してくれた希望を手にしてるよ』
青年は笑顔で蓮に告げた。


