『はぁ…バカなことを言うな。世界の平和を守るために、奪わなければならない命はあるんだ。現に、死滅島でわかっただろう。殺らなければ殺られることを…。世界平和のために、奪う必要のある命はあるんだ』


秋本総理は橘玲子を説得するように告げた。


『テロリストであれ、犯罪者であれ、命を奪う事が平和なら…あたしはそんな平和なんて望んでいません!!』


橘玲子は秋本総理に強く自分の思いをぶつけ、そそくさと部屋を後にした。


『分からず屋が…』


秋本総理はそそくさと部屋を出て行く橘玲子の背中を見つめながら呟いた。


コツ…コツ…コツ。


橘玲子は廊下を歩いた。