『お願いします』


橘玲子は深々と秋本総理に向かって頭を下げた。


『どうしたんだ?玲子』


秋本総理は突然の橘玲子の願いに心配した。


『別にどうもしていません。あたしがもともと警察官になったのは…人を守るため、人の命を救うためです。テロリストとは言え、人の命を幸せを奪うためではありません』


橘玲子がそう言うと、秋本総理は難しい表情を見せた。


『テロリストの命など…犯罪者の命など…ゴミのようなモノだ。罪悪感を感じているなら、それは無意味なモノだ』


秋本総理は難しい表情で答えた。


『テロリストであろうが、犯罪者であろうが…一つの命に変わりはありません』


橘玲子は強く思いを告げた。