すると、修二が無精髭を生やした男に歩みより、写真をサッと取り上げた。


『あっ!!』


無精髭を生やした男は、取り上げられた写真を取り返そうと手を伸ばした。


『これは…』


修二が取り上げた写真に目をやると、そこには無精髭を生やした男と長い黒髪の女性、そして3歳くらいの小さな男の子が写っていた。


『返せ!!』


無精髭を生やした男は、修二から写真を取り返した。


そして無精髭を生やした男は、写真をまた大事そうにズボンのポケットにしまった。


『もしかしてその写真に写っている人たちって、家族ですか?』


修二は無精髭を生やした男の目を見つめながら尋ねた。