『誠也さん、しっかりしてください!!誠也さん!!』


修二は地面に倒れた相沢誠也の身体を揺すった。


『初めて会ったとき、お前を拳銃で撃っちゃつてごめんな』


相沢誠也は修二に謝った。


『もう終わったことは良いですよ』


修二は優しく答えた。


『ありがとう修二…俺は幸せだ…』


相沢誠也はそう言って、涙を零しながら天井を見つめていた。


『えっ?』


相沢誠也のその突然の言葉に、修二は戸惑いを浮かべた。


『俺は幸せだ…こうやって…死にゆく時に…側に誰かがいてくれている…俺の死を看とってくれる人がいること…俺は幸せ者だ…ひとりぼっちじゃない…』


相沢誠也はそう言って、仰向けになりながら左手を天高く伸ばした。


『誠也さん…』


修二はそんな誠也の手を握った。


『ひとりぼっちじゃない…ありがとう、修二…ありがと…』


そう呟きながら相沢誠也は息を引き取った。