『修二…これ…』


相沢誠也は自らの血で汚れた手で、ポケットの中から通帳を取り出した。


『これは…?』


修二は通帳を見て疑問を抱いた。


『俺の貯金通帳だ…。笑えるくらいの額しか入ってないけど…養母に…養母に渡して欲しい…がはっ!!』


相沢誠也はまた口から血を吐いた。


『渡してほしいって…これは自分で…』


修二がそう告げようとした時、相沢誠也は首を横に振った。


『自分のことは自分が1番よくわかる…はぁ…はぁ…。修二…俺の分も生きてくれ…俺の思いお前に託すから…俺の分も生きてくれ…がはっ、がはっ!!』


相沢誠也は苦しさのあまり地面に倒れた。