その瞬間、修二の耳に銃撃戦の音が聞こえてきた。


『銃声?』


修二はとっさに近くの茂みに姿を隠した。


銃声がなりやんだしばらくあとに、黒い長い髪を後ろで結んだ無精髭生やした男が、茂みに隠れている修二の目の前の木に歩みよってきた。


無精髭を生やした男は脇腹を押さえながら、息を切らしながら木にもたれ掛かるように座り込んだ。


『ハァ…ハァ…くっ…』


無精髭を生やした男は顔をしかめた。


その無精髭を生やした男の脇腹からは血が流れていた。


『血!?』


修二はその姿に驚いた拍子に、茂みの中で音をたててしまった。