『逃がすか!!』


犯罪者の一人が飛び降りる橘玲子に向かって発砲した。


銃弾は飛び降りた寸前の橘玲子の足をかすめた。


そして3人は波の中へと飲まれて行った。


『飛び降りやがった…』


崖っぷちに残された犯罪者二人はア然として海を見つめた。


『ぷはっ!!』


波に飲まれながら修二は相沢誠也の手を引きながら、海の中から顔を出した。


『誠也さん、玲子、大丈夫か?』


海の中で足をバタつかせながら、修二は叫んだ。


『ああ…』


相沢誠也も足をバタつかせながら返事をした。


『玲子は…?玲子?玲子!!』


修二は辺りを見回しながら叫んだ。


しかし、橘玲子の姿も返事も無かった。


『れ、玲子!!』


修二は波に飲まれながら、必死に叫んだのだった。