『はぁ、はぁ…』


修二と相沢誠也は共に息を切らしながら森の中を駆け抜けた。


『修二、こっちよ!!』


目の前に姿を見せた橘玲子が、必死に手招きをしながら修二たちを呼んだ。


修二たちは橘玲子の手招きに招かれるように、森の中を突っ走った。


『ここを飛び下りるのよ!!』


橘玲子が誘導した先は崖っぷちで、目下には波が立ち上っていた。


『海に逃げるしかないか…』


修二はそう言って深く頷いた。


『待て!!』


犯罪者たちの声が迫ってくる。


『生きるんだ!!』


修二は相沢誠也の手を引き、崖の上から飛び降りた。


それに続くように橘玲子も飛び降りようとした。